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ジミ・ヘンドリックスの凄さとは?唯一無二と称される理由を名曲と共に解説

ジミ・ヘンドリックスは、エレキギターという楽器そのものの概念を変え、音楽に“新しい次元”を持ち込んだ存在です。歯でギターを弾くパフォーマンスや、音を揺らすフィードバック奏法、ジャンルを超えた音楽性。そのどれもが革新的であり、今なお多くのギタリストやリスナーを魅了し続けています。

本記事では、「なぜジミ・ヘンドリックスは凄いのか?」という問いに対して、名曲や演奏スタイル、時代背景、後世への影響など多角的な視点から解説します。

1.ジミ・ヘンドリックスの「凄さ」とは何か?その革新性と精神性を解き明かす

ジミ・ヘンドリックスの凄さとは、一言でいえば音で世界を塗り替えたことに尽きます。
まだ誰も挑んでいなかった激しいロックギターの表現を、誰よりも早く、誰よりも自由に鳴らしてみせたその姿は、まさにパイオニアそのもの。そのため、現代のロックギタリストをどこからさかのぼっても、たどり着くのはジミ・ヘンドリックスです。
ここからは、その唯一無二の凄さを、プレイスタイル・音楽性・時代背景の側面からじっくりひも解いていきます。

(1)エレキギターの可能性を解き放った“創造主”

ジミ・ヘンドリックスは、エレキギターという楽器の可能性を一気に解き放った存在です。
いまやロックギターといえば、オルタネイト・ピッキングやスウィープなどの高度な技巧を想像する人も多いでしょう。しかし、ジミが切り開いたのはそうした“技術の先”にある、音そのものの“感情”や“衝動”を表現するという境地でした。

1960年代当時、彼のギタープレイはまさに革命的でした。爆音のフィードバックワウを使ったうねるようなサウンド即興で感情をぶつけるようなフレーズ。そのどれもが、それまでの音楽では聴いたことのない、ギターで叫び、泣き、語るまったく新しい世界だったのです。

ジミ・ヘンドリックスは「ロックギター」というジャンルそのものの創造主

今では、彼よりも速く、技巧的なプレイをするギタリストもたくさんいます。
それでも、激しく魂を揺さぶるロックギタースタイルの出発点がジミだったことは揺るぎません。
彼がいなければ、現代のロックギターの音は、まったく違うものになっていたでしょう。

(2)ジャンルを越境した即興の魔術師と多彩な音世界

ジミ・ヘンドリックスのギターは、まるで感情そのものが音になったような表現力にあふれています。
ファズで荒々しく歪んだ音を鳴らしたかと思えば、次の瞬間にはクリーンで柔らかく包み込むようなトーンに変化する。その振れ幅の大きさこそ、彼の最大の魅力のひとつです。

彼のルーツにあるのは、ブルースです。ブルースギターは、決まった譜面通りに弾くのではなく、その場の感情や空気で弾き方が変わる即興性(アドリブ)が命
ジミはその精神を、ロック・ファンク・サイケデリック・R&Bといったあらゆるジャンルに注ぎ込み、音楽そのものを“ジャンルの枠”から解き放ちました。

ジミ・ヘンドリックスのギタープレイは、リフやリード(メロディー)部分以外のアドリブが多いです。そしてギターソロは、2度と再現できないとさえ言われます。アドリブで培われたジミ・ヘンドリックスの表現力は、編曲やライブの臨場感、作曲など随所で活かされました。

(3)視覚も音の一部に、魅せる衝撃のライブパフォーマンス

ジミ・ヘンドリックスは、ギターの音だけでなく、そのプレイスタイルや所作そのもので人々の心をつかんだ存在です。
ただ音を鳴らすのではなく、ステージ全体が作品のように仕上がる。そんな唯一無二のライブパフォーマンスを見せてくれました。ジミ・ヘンドリックスが行ったライブパフォーマンスは以下のとおりです。

  • ギターに火をつけて燃やす
  • 歯でギターを弾く
  • 背中で弾く(背面弾き)

1960年代当時も、もちろん異端視されることはありましたが、それ以上に「音楽にこんな自由があっていいのか」と人々の価値観を揺さぶった存在として語り継がれています。
当時の音楽シーンにはまだ、型や限界が存在していました。ジミはそれを破壊し、ギター演奏に視覚的衝撃と肉体的エネルギーを融合させた最初のアーティストだったのです。

(4)時代の象徴としての存在

ジミ・ヘンドリックスはギターの革新者にとどまらず、1960年代という時代そのものを象徴する存在でもありました。
混沌と理想が入り混じるなかで花開いたカウンターカルチャー、いわゆるヒッピーの時代の中心にいたのが自由な音と魂を解き放つジミでした。

彼のキャリアを語るうえで欠かせないのが、Animalsのベーシスト、チャス・チャンドラーの存在です。
「朝日のあたる家」で知られるこの英国のミュージシャンが、まだ無名だったヘンドリックスを米国で見出し、彼をロンドンへと導いたのです。

英国という異文化の地で才能を開花させたヘンドリックスは、やがて逆輸入の形で本国アメリカに旋風を巻き起こします。彼はまさに、音楽とカルチャーの揺らぎを体現する存在でした。時代の空気を敏感に吸い込み、抑圧や常識から解き放たれた音でそれを表現した。だからこそ、彼の音楽は今も“時代を変えた音”として語り継がれているのです。

2.ジミ・ヘンドリックスの名曲で凄さを体感|代表曲・最高傑作を通してその魅力をひもとく

(1)Purple Haze|音の“異世界”を開いた革新作

ジミ・ヘンドリックスの代表曲として知られる本作は、サイケデリック・ロックの象徴的な存在です。印象的なリフは楽屋での即興から生まれ、音楽の常識を覆す扉を開きました。
イントロにはヘンドリクス・コードが多用され、不安定な響きがかえって新しい世界の到来を予感させます。
聴く者を異世界へ誘うようなその世界観は、今もギター表現の頂点として語り継がれています。

ヘンドリクス・コードとは?

「ヘンドリクス・コード」とは、ジミ・ヘンドリックスが多用した独特な響きを持つコードの通称で、正式には「7#9(セブンス・シャープ・ナインス)」と呼ばれるコードです。
このコードは、メジャーとマイナーの両方のニュアンスを含んでいて、明るいのにどこか不穏で、緊張感のあるサウンドが特徴です。

リリース1967年
収録アルバム『アー・ユー・エクスペリエンスト?』

(2)Little Wing|詩的ギター表現の極致

ジミ・ヘンドリックスが奏でる「Little Wing」は、わずか2分半に詩と情景を凝縮した名曲です。
常識を覆すコード使いやロータリースピーカーによる音の揺らぎが、幻想的な世界観を生み出しています。
ピアノのように繊細な指使いで描かれるメロディは、ギターの新しい表現を提示しました。

リリース1967年
収録アルバム『アクシス:ボールド・アズ・ラヴ』

(3)Red House|ブルースの深みとリスペクト

Red Houseは、ジミ・ヘンドリックスがブルースへの愛情を込めて奏でた、初期の代表作です。
渋く切ない歌声と、泣くようなギターソロが心に染みわたります。
「彼女はもういない、でもギターがある」そんな歌詞もブルースらしく、どこか優しい。まずはスタジオ版から聴いて、その後ライブ版の熱量を楽しんでみてください。

リリース1970年
収録アルバム『Battle of Deep Purple & Jimi Hendrix』

(4)All Along the Watchtower|ジミ流に再構築された異彩のカバー

ボブ・ディランの名曲を、ジミ・ヘンドリックスが独自の解釈で再構築した印象的なカバーです。
うねるようなギターと緊張感のあるアレンジが、原曲の詩的世界に新たな表情を加えています。
ディラン本人もこのバージョンを高く評価し、自身のライブでもこのスタイルを取り入れるようになりました。
グラミー殿堂入りも果たし、ロック史における傑作カバーのひとつとして広く認知されています。

運営者
運営者

筆者が初めて聴いたジミヘンがこの曲で、

イントロのうねるようなギターのカッコよさに惚れ惚れしました!

リリース1968年
収録アルバム『エレクトリック・レディランド』

(5)Voodoo Child|最高傑作として語られる音楽の化身

ジミ・ヘンドリックスがブルースの魂をもとに、仲間たちとのセッションから生み出した壮大な一曲です。
即興のように聴こえる演奏は、実はジミが綿密に構築した“音の儀式”のようなものでした。
重厚なギターと荒々しい歌声が渦を巻き、聴く者の感覚を根底から揺さぶります。
音楽で世界を動かすジミの信念が、最も濃密に刻まれた名演です。

リリース1968年
収録アルバムエレクトリック・レディランド

(6)Foxey Lady|官能と爆発力が同居するジミ・サウンドの真骨頂

Foxey Ladyは、1967年に発表されたアルバム『Are You Experienced?』のオープニング曲として収録されています。ハードでヘヴィなギターサウンドでありながらも、フレーズはブルージーです。タイトルの通り、歌詞はセクシャル。Foxey Ladyを演奏するときのジミ・ヘンドリックスは、特に派手なステージパフォーマンスを披露します。

リリース1967年
収録アルバム『Are You Experienced?』

3.ジミ・ヘンドリックスとは?音楽で時代を変えた、伝説のギタリストの軌跡

音楽活動名ジミ・ヘンドリックス
本名ジェームズ・マーシャル・ヘンドリックス
生誕~死没1942年11月27日~1970年9月18日
活動期間1963年~1970年
国籍アメリカ

ここでは、ジミ・ヘンドリックスの経歴を紹介します。

(1)ジミ・ヘンドリックスの子ども時代

1942年11月27日、ジミ・ヘンドリックスは、アメリカ・ワシントン州シアトルに生まれました。
アフリカ系の父親とアメリカ先住民の母の間に生まれたブラックインディアンです。少年時代はレコードを聴き、独学でギターを学びました。15歳でギターを手にしたジミ・ヘンドリックスは、ブルースR&Bロックンロールを聴いてひたすら練習に明け暮れます。

ジミ・ヘンドリックスが影響を受けた主なアーティストたち
  • マディ・ウォーターズ
  • B.B.キング
  • チャック・ベリー

ジミは幼少期からマディ・ウォーターズに深く影響を受け、1969年には「Mannish Boy」をカバー録音しています。
この音源は、未発表音源集『Both Sides of the Sky』(2018年)に収録され、ジミがブルースの原点に敬意を払い続けていたことを物語っています。

(2)ジミ・ヘンドリックスの青年期

1960年代に入ってからジミ・ヘンドリックスはプロミュージシャンとして頭角を現し始めます。伝統的なブルースを根幹に革新的なロックギターを披露。有名なエリック・クラプトンでさえ「誰もジミ・ヘンドリックスのようなギターは弾けない」と言います。

ジミ・ヘンドリックスが所属したバンドは?
  • ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
  • バンド・オブ・ジプシーズ

当時は音楽にも人種差別的な考えがありましたが、黒人であるジミ・ヘンドリックスが白人向けのロックスターとして売り出されたのも当時は異例でした。それほどまでに、ジミ・ヘンドリックスは音楽界に革命を与えた存在だったのです。

(3)ジミ・ヘンドリックスの謎の多い死

メジャーデビューから4年、ジミ・ヘンドリックスはギターヒーローとして大成功を収めます。しかし、過密スケジュールやプレッシャーによって精神に不調をきたすようになり、人間関係の悪化とともに薬物に依存します。

そして、人気絶頂期にジミ・ヘンドリックスは27歳でこの世を去ります。死については謎が多いものの、薬物乱用によって亡くなってしまった説が一般的です。

4.後世に与えた影響と評価|ジミのDNAはどのように受け継がれているのか?

ジミ・ヘンドリックスの音楽は、1960年代の熱狂の中で生まれながら、今なお影響力を持ち続けています
彼の奏法や音作り、そして「ギターで語る」という概念そのものが、多くのアーティストにとっての出発点となりました。
ここでは、ジミ・ヘンドリックスが音楽の歴史に刻んだ“DNA”が、どのように後世のアーティストへと受け継がれているのかを探っていきます。

(1)影響を受けたアーティスト

ジミ・ヘンドリックスの革新的なプレイスタイルは、ジェフ・ベックやエリック・クラプトンなど名だたるギタリストに多大な影響を与えています。
ジェフ・ベックは初めてジミの演奏を観た際、ベックは「今の自分はギタリストなんかじゃないと思った」と語っています。ギターの神様と称されるエリック・クラプトンもまた、「ジミの演奏は別の次元にある」「ジェフと2人がかりでも敵わない」と語っており、唯一無二の存在としてジミを認めていたことが伝わってきます

>>ジェフ・ベックの凄さを確認する
>>エリック・クラプトンの凄さを確認する

また、音楽的表現の方向性は異なるものの、イングウェイ・マルムスティーンもジミ・ヘンドリックスに影響を受けてギターを手にしたと語っています。

>>イングウェイ・マルムスティーンの凄さを確認する

(2)音楽史における位置づけ

ジミ・ヘンドリックスは、音楽史における最重要人物のひとりとして、現在も高く評価され続けています。
2003年の「ローリング・ストーン誌による史上最も偉大なギタリスト100人」で第1位に選出され、2011年の改訂版でもその座を守りました。ロックの殿堂入り(1992年)、UK音楽の殿堂入り(2005年)など、数々の栄誉もその評価の証しです。

特筆すべきは、彼の死後20年以上が経過してからこうした栄誉を多く受けている点です。
これは、ジミ・ヘンドリックスというアーティストの革新性が“時代を超えて理解され、再発見され続けている”ことを示しています。

ジミヘンはやはり創造主である

彼の音楽は単なる演奏ではなく、時代と文化を揺るがす芸術表現として刻まれたものです。だからこそ、50年以上経った今でも世界中でその影響力が語り継がれているのです。

5.まとめ:ジミ・ヘンドリックスの凄さとは“音楽を超えた表現”にある

ジミ・ヘンドリックスの凄さとは、音で生き方を示したこと”そのもの
ブルース、ロック、サイケデリックを自在に行き来し、即興性と感情表現を融合させることで、ギターを単なる楽器から「語る存在」へと昇華させました。
彼が遺した音の軌跡は、時代を超えて今もなお、私たちの胸を揺さぶり続けています。

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